後悔する新人 #1

雫「ど…ど、どうしよおお」

間違えに気が付いた私は目の前が真っ暗になった。目の前は真っ暗、頭の中は真っ白。どこでこうなってしまったのか…何を間違ったのか…とにかく今の私は冷静さを失っていた。

ママ「どうしたの雫?」

ママがお皿を拭きながら近づいて来る。溜め息をつき、静かに私を見つめる。普段からドタバタしている私にママは動揺しない。また始まったと言わんばかりの表情を浮かべている。

雫「これ見てよぉー」

ママ「んー?雫が受けた大学の合格通知じゃない。よかったじゃない。やっぱり雫は真面目だからねぇ」

雫「違うの‼学部学部‼」

ママ「あー」

私が希望したのは保育科。しかし、合格通知書に書かれているのは『政治経済学部』。私は事もあろうに入る学部を間違ってしまったのだ。確かに保育科を選択したはずなのに…。

雫「どうしよう。今から間違いましたじゃすまないよねぇ」

ママ「本当に肝心なところで抜けてるんだから…。もう受かったんだからいいじゃない何でも」

雫「よくないよぉ。私苦手なんだよ政治経済…」

ママ「ちゃんと試験受けて合格してるんだから大丈夫よ」

パパ「ふう~。んー?どうした2人とも」

お風呂上がりのパパが頭を拭きながらリビングに顔を出す。パンツ1枚でウロウロするのは何回注意しても直してくれない。

ママ「雫が学部を間違えたらしいのよ」

パパ「学部?どこに間違えたんだ?」

雫「政治経済学部……」

パパ「あははははは、いいじゃないか政治経済学部」

雫「よくないよー」

パパ「いいか雫、今時女性の政治家は珍しくない。お前も大きな夢を持って勉強すればいいさ」

雫「いや、私なるつもりないし」

パパ「いやいや、これも縁があったからだ。せっかくのチャンスを無駄にするな」

雫「はぁ…転部するしかないかなぁ」

ママ「せっかく入れたんだから少し考えてみなさい。自分に合わなければ転部を考えればいいのよ」

雫「…うん」

パパ「…雫が政治家になったら、俺の会社も…」

雫「もーしつこい」

よりにもよって一番苦手な政治経済を選んじゃうなんて…。でも、確かに試験の時に保育関係の問題は全然なかったし、政治経済の問題が異様に多かった気はした。

私は自分の部屋に戻り、ベッドに横になる。何度見ても『保育科』とは書かれてない。不安な気持ちを抱えたまま私は眠りについた。

【続】

「後悔する新人」
「調教する隣人」の真中雫が主人公のサブストーリーです。
秋野に出会う前から大学生活を送る間の物語を描いています。

小説「調教する隣人」(1)
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★小説版のみの雫ED「調教する隣人」(5)
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ゲーム「調教する隣人」
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★「後悔する新人」まとめ版★
※内容は同じです※
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