後悔する新人 #12

美玖「じゃあ面接行ってくるね」

雫「頑張ってね」

秋野「また明日」

村上「バイバーイ」

秋野「じゃあ帰ろうか」

村上「雫ちゃんも一緒に帰ろ」

雫「ごめんね。私、学生課に用事があるの」

村上「そっかぁ」

秋野「また明日ね。真中さん」

雫「うん、バイバイ」

私は、ゼミ室の鍵を閉めて学生課へ向かう。

秋野君の『また明日ね』という言葉がなんだか恥ずかしくって嬉しかった。

学生課で提出書類の不備を訂正し、帰ろうとすると…。

五十嵐「おおおおおおお、待て待て!!!!!!」

五十嵐教授が、正面からものすごい勢いで走ってきて、私の目の前で止まる。

雫「な、なんですかぁ」

五十嵐「はあはあ…ちょ…ちょっと…待て」

雫「ま…待ってますよ…」

五十嵐教授は、凄く慌てた様子で息を切らしている。

すれ違う生徒たちがジロジロと見つめるが、当の本人は全く気にしていない。

五十嵐「いやぁ、こんなに走ったのはひさしぶりだわ。あはははは」

雫「どうしたんですか?」

五十嵐「実は来週のゼミで使う参考書を図書室で探すのを忘れていてな。申し訳ないんだけど探しておいてくれないか?」

雫「別にいいですけど…」

五十嵐「助かる。俺の研究室に適当に置いててくれればいいから」

雫「あ、鍵はどこにあるんですか?」

五十嵐「あーこれこれ。あと学生課に返しておいてくれ」

雫「は、はぁ」

五十嵐「じゃ、よろしくー」

五十嵐教授は、あっという間にいなくなってしまった。

私は、研究室の鍵と必要な参考書のメモを片手にしばらく立ち尽くした。

メモに書かれている本は、心理学や精神分析、
人体の構造と機能等の難解なもの。

それとは別に北海道や九州の旅行ガイド…。

難しい本は全部フェイクで、本命は旅行ガイド?
学会で論文の発表なんていいながら温泉旅行…

雫「………」

五十嵐教授が、ニコニコしながら露天風呂に浸かる情景が浮かぶ。

雫「早く終わらせて帰ろう…」

【続】

「後悔する新人」
「調教する隣人」の真中雫が主人公のサブストーリーです。
秋野に出会う前から大学生活を送る間の物語を描いています。

小説「調教する隣人」(1)
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★小説版のみの雫ED「調教する隣人」(5)
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ゲーム「調教する隣人」
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★「後悔する新人」まとめ版★
※内容は同じです※
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