後悔する新人 #20

日が暮れて、空が夜に包まれる少し前に私のマンションが見えた。

まだ数回しか入っていないマンションは、まだ自分の家と呼ぶには早い気がする。

美玖「おっきい~」

雫「本当に美玖ちゃんは何でも大げさなんだからぁ」

美玖「あーあ、同じ年齢で同じ性別で生まれて育ってきたはずなのに、どうしてこんなに差が出ちゃうんだろー」

雫「私の話聞いてます~?」

美玖「貧富の格差が酷い!!」

雫「また明日ねぇ」

美玖「じょ、冗談だよぉ~」

自動ドアを通り、オートロックを解除、エレベーターに乗り込む。

美玖ちゃんは「すごい」「へぇ~」とキョロキョロ周囲を見渡す。

エレベーターの扉が開くと同時に美玖ちゃんが飛び出す。

目の前の手すりを両手で掴み、思い切り前のめりになる。

雫「きゃああああああああああ」

美玖ちゃんの上半身は、完全に手すりの向こう側で、足をばたつかせる。

美玖「すごい眺め~♪」

雫「はぁ……」

私は、美玖ちゃんが落ちたと思いしゃがみ込んで動けなくなってしまう。

美玖「雫?」

雫「危ないじゃない!!気を付けてよぉ!!!」

美玖「ご、ごめーん」

美玖ちゃんは、苦笑いを浮かべて謝った。

私は、ゆっくりと立ち上がり、玄関の鍵を開けた。

常に全力で動く美玖ちゃんは、一瞬も目が離せない。

【続】

「後悔する新人」
「調教する隣人」の真中雫が主人公のサブストーリーです。
秋野に出会う前から大学生活を送る間の物語を描いています。

小説「調教する隣人」(1)
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★小説版のみの雫ED「調教する隣人」(5)
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ゲーム「調教する隣人」
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★「後悔する新人」まとめ版★
※内容は同じです※
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