後悔する新人 #39

美玖「雫~♪」

雫「あ、美玖ちゃん」

久しぶりに見かけた美玖ちゃんの隣りに座る。

美玖「久しぶり~」

雫「もぉ~美玖ちゃんってば全然大学来ないじゃなーい」

美玖「ごめんごめん。アルバイトの方が楽しくなっちゃって」

美玖ちゃんが平謝りをする。

雫「美玖ちゃんは、大学生なんだから勉強を優先しなきゃダメだよ」

美玖「はーい。でも、雫からノート借りれば大丈夫大丈夫」

雫「それじゃあ意味ないと思うよ~」

美玖「今日は頑張るからさ」

雫「毎日頑張ってください」

美玖「うぅ~」

美玖ちゃんがすねた子供のような顔を浮かべ、ついつい吹き出してしまう。

雫「あ、そうだ」

美玖「ん?」

雫「はいコレ。プレゼント」

美玖「私に?」

雫「うん。毎日持ってきてはいたんだけど、なかなか会えなかったから渡すの遅れちゃった」

美玖「開けてもいい?」

雫「どうぞ」

美玖「……」

美玖ちゃんは、箱から取り出したマグカップをじっくりと見つめる。手に取って、絵柄をゆっくりと見つめ、様々な角度からマグカップを観察した。まるでテレビの鑑定番組をみているようだった。無言でマグカップを見つめていた美玖ちゃんの視線が、ウサギのところで止まる。

雫「そのウサギの後姿が可愛くって買っちゃったの。私とお揃いなんだよ」

美玖「そうなの?うん、凄く可愛い。でも、本当に貰っちゃってもいいの?」

雫「うん!雑貨屋さんで一目ぼれして、美玖ちゃんにもあげたいなぁ~って思ってたら2個あったの。これって奇跡かもって」

美玖「そうだね。きっと奇跡だよ」

美玖ちゃんが、もう1度嬉しそうにマグカップを見つめる。

私との友情を噛み締めているようで嬉しかった。

美玖「大切にするね。……あれ?まだ何か入ってる」

雫「え?なんだろ?包装の袋とかかな?」

美玖「『爆うす コンドーム 0.02ミリ』」

雫「!!」

おばあちゃんが入れたオマケだ…。

美玖「雫…これは?なにかマグカップと関係があるの?」

美玖ちゃんが、どうしたらいいのか分からず困惑した表情で私の反応を待つ。

自分の顔が赤くなっていくのが分かる。

雫「美玖ちゃん!!ウサギは、繁殖するんだよ!!いっぱい増えるから、えーっと、このマグカップがあれば安産で、子供が沢山産まれるよ。でも、ウサギって増えすぎるから避妊もしなきゃいけないっていう…その、そんな感じ…」

美玖「あ、なるほどね…そっかぁ、なるほど」

美玖ちゃんが、明らかに気を使った反応をしているのが心痛い。

【続】

「後悔する新人」
「調教する隣人」の真中雫が主人公のサブストーリーです。
秋野に出会う前から大学生活を送る間の物語を描いています。

小説「調教する隣人」(1)
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★小説版のみの雫ED「調教する隣人」(5)
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ゲーム「調教する隣人」
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★「後悔する新人」まとめ版★
※内容は同じです※
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