
美玖「雫~♪」
雫「あ、美玖ちゃん」
久しぶりに見かけた美玖ちゃんの隣りに座る。
美玖「久しぶり~」
雫「もぉ~美玖ちゃんってば全然大学来ないじゃなーい」
美玖「ごめんごめん。アルバイトの方が楽しくなっちゃって」
美玖ちゃんが平謝りをする。
雫「美玖ちゃんは、大学生なんだから勉強を優先しなきゃダメだよ」
美玖「はーい。でも、雫からノート借りれば大丈夫大丈夫」
雫「それじゃあ意味ないと思うよ~」
美玖「今日は頑張るからさ」
雫「毎日頑張ってください」
美玖「うぅ~」
美玖ちゃんがすねた子供のような顔を浮かべ、ついつい吹き出してしまう。
雫「あ、そうだ」
美玖「ん?」
雫「はいコレ。プレゼント」
美玖「私に?」
雫「うん。毎日持ってきてはいたんだけど、なかなか会えなかったから渡すの遅れちゃった」
美玖「開けてもいい?」
雫「どうぞ」
美玖「……」
美玖ちゃんは、箱から取り出したマグカップをじっくりと見つめる。手に取って、絵柄をゆっくりと見つめ、様々な角度からマグカップを観察した。まるでテレビの鑑定番組をみているようだった。無言でマグカップを見つめていた美玖ちゃんの視線が、ウサギのところで止まる。
雫「そのウサギの後姿が可愛くって買っちゃったの。私とお揃いなんだよ」
美玖「そうなの?うん、凄く可愛い。でも、本当に貰っちゃってもいいの?」
雫「うん!雑貨屋さんで一目ぼれして、美玖ちゃんにもあげたいなぁ~って思ってたら2個あったの。これって奇跡かもって」
美玖「そうだね。きっと奇跡だよ」
美玖ちゃんが、もう1度嬉しそうにマグカップを見つめる。
私との友情を噛み締めているようで嬉しかった。
美玖「大切にするね。……あれ?まだ何か入ってる」
雫「え?なんだろ?包装の袋とかかな?」
美玖「『爆うす コンドーム 0.02ミリ』」
雫「!!」
おばあちゃんが入れたオマケだ…。
美玖「雫…これは?なにかマグカップと関係があるの?」
美玖ちゃんが、どうしたらいいのか分からず困惑した表情で私の反応を待つ。
自分の顔が赤くなっていくのが分かる。
雫「美玖ちゃん!!ウサギは、繁殖するんだよ!!いっぱい増えるから、えーっと、このマグカップがあれば安産で、子供が沢山産まれるよ。でも、ウサギって増えすぎるから避妊もしなきゃいけないっていう…その、そんな感じ…」
美玖「あ、なるほどね…そっかぁ、なるほど」
美玖ちゃんが、明らかに気を使った反応をしているのが心痛い。
【続】