後悔する新人 #46

翠さん「ねぇねぇ、結局どうするの?」

雫「えーっと、ちょっと考えたいんですけど…」

ママ「まぁ、最初は名前がなくても大丈夫だから」

翠さん「翠2号とかは?」

雫「そんなロボットみたいなの嫌ですよ」

ママ「じゃあ貴女が2号で良いんじゃない?」

翠さん「なんで私が2号なのよ」

最初は緊張したけど、翠さんもママも優しくて、楽しい人達で安心した。まだ、自分に何が出来るか分からないけど、精いっぱい頑張ってみよう。美玖ちゃんみたいに、私は私の選択肢で人生を生きていこう。

ママ「せっかく着替えたんだから、お友達を呼んでみたらどう?」

雫「ええ!!」

翠さん「うん。雫ちゃんのドレス姿を見てもらおうよ」

雫「でも、お店の邪魔になっちゃうんじゃ……」

真っ先に村上君の顔が浮かんでくる……。

ママ「まだ開店まで時間があるし、ジュースやお菓子ならご馳走するわよ」

ママが優しい笑みを浮かべる。

雫「じゃあ、ちょっと連絡してみます」
私は、スマホを取り出して、秋野君と村上君にメールを送る。

雫「……」

本当なら美玖ちゃんも呼びたいところだけど……。今は、まだ距離を取っていた方がお互いのためかも。でも、きっと美玖ちゃんが来たら「雫!とっても可愛い!!お人形さんみたい!!」って抱きしめてくれると思う。

コンコンと扉をノックする音が聞こえる。

ママ「翠ちゃん、看板出してた?」

翠さん「んーん、出してないよ」

翠さんが横に首を振る。

扉が少し開き、村上君が顔を覗かせる。

村上「あのぉ~、僕たち、真中雫さんの友人なんですけど……」

雫「村上君」

村上「お、いたいた。雫ちゃん、入っても大丈夫?」

私が振り向くと、ママがニコニコしながら静かにうなずく。

雫「入っても大丈夫だって」

村上「失礼しま~す」

村上君と秋野君が、ゆっくりと扉を開けて、静かに入室する。
村上「こんにちは、村上です」

秋野「秋野です」

ママ「いらっしゃい」

少し緊張した面持ちで、2人は店内をゆっくりと見渡す。

翠さん「君、髪長いねぇ~」

入ってきた2人に翠さんが近づき、村上君の長髪を撫でる。

知らないセクシーなお姉さんに急に触れられた村上君が、一歩後ろにたじろぐ。

ママ「止めなさいよ。急に失礼じゃない」

村上「あー大丈夫です。ちょっとびっくりしちゃっただけで」

翠さん「ごめんねぇ。なんか女の子みた~い」

翠さんは、ごめんねと謝りつつも村上君の髪を触り続ける。

村上「で、でもさ。雫ちゃん、すっごく似合ってるよ」

雫「本当?」

村上「うん。普段とは全然違う感じで良いと思う。な、秋野」

【続】

「後悔する新人」
「調教する隣人」の真中雫が主人公のサブストーリーです。
秋野に出会う前から大学生活を送る間の物語を描いています。

小説「調教する隣人」(1)
DL.site FANZA

★小説版のみの雫ED「調教する隣人」(5)
DL.site FANZA

ゲーム「調教する隣人」
DL.site FANZA

★「後悔する新人」まとめ版★
※内容は同じです※
DL.site FANZA