もう少し頑張りましょう #12

小学校に入学してから1週間が経過した。自分とタイプの近い友達同士が仲良くなり、休み時間や授業でグループを作る際には、仲の良い友達同士で集まった。

私には、桜ちゃんと幸奈ちゃんという友達が出来た。桜ちゃんは赤い縁の可愛い眼鏡をかけていて、幸奈ちゃんは運動が得意で体育が大好き。私たちは何をする時も一緒に行動をした。幸奈ちゃんは私のリボンが可愛いといつも目をキラキラさせて言う。そのことをお母さんに話すと桜ちゃんと幸奈ちゃんの分のリボンも作ってくれた。2人は大喜びでリボンを付けてくれた。

桜「私のはピンク色なの?」

美玖「名前が桜ちゃんだからピンク色だって」

桜「ありがとう。すっごく嬉しい」

幸奈「私もいいの?」

美玖「幸奈ちゃんは、青い猫ちゃんのキーホルダーが好きだから青色」

幸奈「覚えててくれたの?ありがとう、美玖ちゃん」

学校の帰り、私は2人を家に案内した。お母さんは桜ちゃんと幸奈ちゃんに好きな駄菓子と文房具を1個ずつプレゼントしてくれた。それから、お母さんが焼いたクッキーを食べて、学校のことをいっぱい話した。桜ちゃんは大きな犬が怖かったという話をしていた。あまりにも興奮しすぎて、ジュースをひっくり返してしまった。桜ちゃんは慌てて謝っていたけど、お母さんはとても嬉しそうだった。

次の日。休み時間に3人で集まって話をしていると、栞ちゃんが声をかけてきた。私は栞ちゃんが少し苦手だった。何を考えているか分からなかったし、たまに意地悪なことを言ったりするからだ。栞ちゃんにも2人の友達がいたけど、やっぱり栞ちゃんと同じく仲良く出来る雰囲気じゃなかった。

栞「美玖ちゃんってもうすぐ誕生日じゃない?」

美玖「え?あ、うん。そうだよ」

栞「じゃあ、美玖ちゃんの誕生日お祝いしようよ」

美玖「え……」

私は戸惑った。いつも仲良くしている桜ちゃんや幸奈ちゃんがお祝いしてくれるなら凄く嬉しい。でも、普段あまり話をしない栞ちゃんが誘ってくるのは何だか素直に喜べない。

栞「なんで?ダメなの?」

美玖「そんなことないよ!嬉しいよ!」

栞ちゃんがニコニコと笑みを浮かべる。私は精いっぱい嬉しそうな顔をしたけど、心は不安でいっぱいだった。桜ちゃんと幸奈ちゃんもちょっと気まずそうな表情を浮かべた。

栞「桜ちゃんと幸奈ちゃんも行くでしょ?」

桜「もちろん…美玖ちゃんは仲良しの友達だもん。ね?」

幸奈「うん!友達の証も一緒だもん」

栞「へぇ~いいなぁ。リボンは友達の証なんだぁ~」

【続】