もう少し頑張りましょう #44

栞「今日は美玖の発表楽しみだね~失敗しないといいね~」
美玖「…………」
和也「クラスの代表だからって調子乗るなよ」
美玖「…………」
栞「無視?感じ悪~い。仲良しの眼帯の子がいないと美玖って暗いよねー」
美玖「別にそんなことないでしょ……」
栞「あの子はいっつもクラスの子に話しかけてるんだけど無視されてるんだって」
美玖「ふーん、また愛が勝手なこと言ってるんでしょ?」
栞「別に~みんなが言ってるんだよ」
美玖「みんなって?」
栞「みんなはみんな。個人情報だから言わない」
和也「そうだよ!お前うるさいんだよ!」
栞「和也、黙っててよ」
和也「わかった……」
栞「美玖も頑張ってクラスの子に声かけてみたら?おんなじだと思うけど」
美玖「…………」

給食が食べ終わると、栞と和也と誠がやってきて、いつも私に悪口を言ってくる。栞は思いつく限りの悪口を言い、和也が大きな声で怒鳴る。誠は何も言わずに頭をかいている。

誠はひょろっとしていて背が高く、紙はボサボサ、目が小さくて、ニキビ面でいつもヘラヘラしている。何も言わず、栞と和也の後を追いかけ、特に何をするわけでもなくボーっとしている。一体何を考えているのかわからず、他のクラスメイトも不気味がっていた。

気分が悪い給食の時間が終わり、私はようやく解放された。私は発表の準備に必要な物が入った手提げを持って体育館へ向かった。心臓がドキドキする。胸に手を当て、目をつぶり、ゆっくりと深呼吸をする。大丈夫大丈夫、お母さんの口癖を心の中で繰り返す。お母さんと月江とアリスが私を守ってくれる。私には味方がいる。大丈夫大丈夫。

月江「美玖ちゃん」
美玖「月江」

体育館の入り口に立っていると後ろから月江に声をかけられた。

美玖「発表者か手伝いの人しか来ちゃダメなんだよ?」
月江「うん。クラスの子に手伝いで行きたいって言ったんだけど行く人が決まってるからって言われて……先生にお願いして特別に来れたんだ~美玖ちゃんの応援したくて」
美玖「ありがとう……」
月江「あ、発表者の人はステージの横に集合だって」
美玖「わかった。行ってくるね」

私は嬉しくて泣きそうになってしまった。ぐっと涙をこらえて、私はステージの横へ向かった。月江は「頑張ってね」と背中を優しく押してくれた。1年生が入場し始め、準備の音しかしない体育館に声が広がる。ステージ横にはパイプ椅子が並び、各クラスの代表が緊張しながら発表の準備をしていた。

【続】