
和也「グマ、チンチン触ると気持ちいいだろ?」
グマ「うん!!気持ちいい!」
羽柴「バーカ」
和也「グマ、ズボンとパンツ下ろして触るともっと気持ちいいぞ」
グマ「うん!!」
羽柴「オラッ」
羽柴がグマのズボンとパンツを一気に下げる。私はこういう時、グループに視線を向けない。音や声だけで大体何が起きているかわかる。巻き込まれたくない私は、出来るだけ存在を消して、状況が落ち着くのを待つ。
女子達「きゃあああああ」
和也「グマのチンコデケー」
栞「キモーい。グロすぎ」
愛「汚―い。写メ撮ろ。栞にメールしてあげる」
栞「いらねーから。和也、もうしまわせろって。くせーしキモい」
和也「だってさ。グマ、チンコしまえ」
グマ「うん!!」
羽柴「メッチャモッコリしてる。ぎゃははははは」
和也「あはははは、パンツに染み付いてんじゃん。ウケるわー、グマもウケるよな?」
グマ「ウケるー」
羽柴「はあ? うっわ最悪。グマが小便漏らした」
グマ「出ちゃった」
女子達「きゃああああああああ」
愛「最悪……」
栞「ふふ……グマには係りがいたほうがいいんじゃない?」
愛「係り?」
栞「図書係、生物係、飼育係……クラスみんな係り持ってるじゃん。一人を除いて……」
私は身体を強張らせた。心臓がバクバクとなり始めた。全員の視線が私に向いているのが分かる。栞と愛が私に近づき、栞が私の肩に手を乗せた。
栞「美玖がグマ係。お前、何もやってないでしょ? やれよ?」
美玖「わ、わ、わた、私は……」
愛「きゃはははは。メッチャビビってるんだけど。顔見て顔」
栞「しかも噛みまくってて笑えるんだけど、障害者同士仲良くしろよ」
和也「グマ係~早く小便拭けよ~。臭せえだろ」
美玖「私、嫌だ……」
私の視線は誰にも向かない。クラスメイト全員が視線を逸らす。私から距離を取る。誰も助けてくれない。栞が私を立ち上がらせ、愛が雑巾を投げつけてくる。私はビクビクしながら立ちすくむ。
栞「やるまで終わらないからね?」
栞が私の髪を引っ張り、耳元で囁く。私はすっかり怖くなってしまい、雑巾を受け取ってフラフラと歩き始めた。
愛「早くしろよ」
美玖「うっ……」
愛が私のお腹を殴りつける。痛みに声が出ず、私はお腹を押さえたまま顔をしかめて、膝をついた。
愛「もうオシッコ舐めさせた方がいいんじゃない?」
栞「拭くのと舐めるのどっちがいいんだよっ!!」
美玖「ふ、拭くから……もう、やめて……」
栞「さっさとやれよ」
美玖「痛っ!!」
【続】