
志田「ほら、せっかく2人が誘ってくれてるんだから長谷川さんも心を開きなさい。どうして貴女は前向きになれないの? なんで普通のことが出来ないの?」
美玖「そ、それ、それはあの……あのあの……」
志田「あのーあのーってね。いつまでも赤ちゃんじゃないんだから」
栞「ふふ、アイツ本当に障害者になってない?」
愛衣「もともと障害者でしょ。あのーあのーとか……ウケるよね」
志田「今日は見学は許しません。必ず参加しなさい」
美玖「……あっ!」
愛が私のスカートを下ろす。私は悲鳴を上げてしゃがみ込み、男子達がおお~と冷やかして笑う。
愛衣「着替え手伝ってあげようと思ったのに~」
栞「愛やめなよ~長谷川さんが可哀想じゃ~ん」
愛衣「可愛いパンツ見られて長谷川さんも嬉しいんじゃない?」
美玖「……」
志田「はいはい、ふざけない。男子は外で野球、女子はバスケね」
和也「えええ~~めんどくせえ」
男子達がぶつぶつと文句を言いながら体育館を出ていく。先生が見下したような視線を私に向ける。
志田「長谷川さん、ジャージはどうしたの?」
美玖「わ、わ……忘れました」
志田「はあ~~」
先生がワザとらしいため息をつく。私はこのため息が本当に嫌でしょうがなかった。何も言えずにしゃがみ込む私を栞と愛衣が無理矢理立たせる。
志田「最初からヤル気なんてないんでしょ?」
美玖「いいい、いえ、その、ちが、違います……」
志田「ジャージはないですからね」
愛衣「制服のままでバスケやればいいじゃん」
栞「そうそう。私たちが練習してあげるよ」
志田「じゃあ、そうしてもらえる? 三人以外はチームを変えながら試合をすること」
女子達「はーい」
志田「先生は職員室にいますから、何かあれば呼んでください」
先生はそう言うと体育館から出て行った。
栞「あの女マジで教師ヤル気ないよね」
愛衣「タバコばっかり吸ってるからね。アイツ、数学の花川とデキてるらしいよ」
栞「マジ?あ~教師の中ならマシな方かも……」
愛衣「グマの小便拭いてきた?」
美玖「……う、う、うん……」
栞「だから、コイツ臭いんだ。なんか小便臭いと思ったんだよねー」
美玖「……」
愛衣「暗いなーお前」
美玖「痛っ!!」
愛衣がバスケットボールをぶつけてくる。私は右腕を押さえて、再びしゃがみ込む。
愛衣「はい。パスを取れなかったからスカート没収ね」
美玖「や、やだ。嫌だ!!」
栞「じゃあ顔面にボールぶつけてやろうか?」
美玖「やだっ!!やめてっ!!」
【続】