もう少し頑張りましょう #74

栞「今の眼鏡飛ぶのメッチャ笑ったわ~。芸人目指せば?」

愛衣「何ボーっとしてんだよ。もっかいやるから眼鏡拾えよ。眼鏡飛ばしすっから」

美玖「……」

栞「返事しろよ、奴隷のくせに……」

美玖「いっ……痛……髪、引っ張らないで……」

愛衣「土下座したら許してやるよ。ごめんなさいって土下座しろ」

栞「パンツ丸出しで眼鏡飛ばしされる動画拡散されたいの?」

美玖「い、嫌……です。嫌……」

愛衣「髪グチャグチャじゃん……くくく」

 私は泣きながら土下座をした。何も悪いことをしていないのに……。土下座をして「ごめんなさい」と謝った。栞と愛衣が笑う。

愛衣「本当にやったよ」

栞「これから奴隷ね」

愛衣「これからは敬語使えよ」

美玖「……あ、あの、えと……」

栞「謝れ」

美玖「ご、ごめんなさい……ぐっ!!!!」

愛衣「はい、許さなーい」

栞「うわぁ~今の痛そう。頭ゴンって鳴ったよ」

私は何に謝ってるの?

私が何をしたの?

私は生まれてこなければよかったの?

愛衣「あ、こいつスマホ持ってんじゃん」

美玖「!!!」

栞「盗んだんじゃない?こいつの家貧乏だし」

美玖「か、かかか返して」

愛衣「嫌だよ~♪ これでサッカーしようよ」

美玖「やめてやめて!!!」

栞「プッ!!コイツ母親としか連絡してないじゃん!!小学生かよ!!」

愛衣「だって友達いないんだもん。ねー美玖ちゃん」

美玖「返して、お願い……お願いします」

 私は二人に土下座して泣いた。もう土下座以外にどうすればいいのかわからなかった。お母さんが買ってくれたスマホだけは返して欲しい。傷つけないで欲しい。

愛衣「本当に嫌なんだー」

栞「そうだ。私達の連絡先登録してあげる。これでいつでもどこでも一緒だね」

美玖「え……」

愛衣「それいいねー。朝でも夜でも呼び出して遊んであげれるし。よかったねーお母さんも喜ぶんじゃない?」

栞「あ、奴隷のお母さんにメールしてあげる。入院してるんだよね?『お母さんの、ご冥福を……』」

【続】