
頭が真っ白になったまま公園に来た。吐き気と眩暈がする。ここまで歩いてきた記憶もない。私服姿の栞と愛衣、和也がベンチに座っている。
栞「あ、やっと来た。おせーよブス」
美玖「い……痛い……ご、ごめんなさい……痛……」
栞が髪を掴み、右に強く引っ張る。あまりの痛さに私は声を上げ、小さく悲鳴を漏らす。愛衣と和也の笑い声が聞こえる。
栞「お前、志田にチクっただろ」
美玖「だ、だって……だって……」
愛衣「だってじゃねんだよっ!!!」
美玖「ぐっ!!!!!」
愛衣が背中を思い切り蹴り、私は地面に倒れた。手のひらと膝を擦り剥き、ひりひりする。立ち上がろうとする私の背中に愛衣が乗る。お腹が痛い。
愛衣「ねえ、私、重くないでしょ?」
美玖「痛い……お願い下りて、本当に痛いの……」
愛衣「無理―。スカート捲っちゃえ」
美玖「や、やめてやめて!!!」
栞「あはははは、だっせーパンツ。和也、オカズにしたら?」
和也「こんなブスのパンツ見ても興奮しねーから」
愛衣「さっき送った美玖のオッパイ画像見た?」
美玖「!!!!!!」
和也「見た。つーかウチのクラスでコイツの胸見てないヤツいないだろ……」
美玖「……」
栞「あれ?動かなくなっちゃった。死んだんじゃね?」
愛衣「なんかボーっとしてるよ。顔ヤバ!!障害者じゃん!!あはははは!!!」
栞「オッパイ見られたのがそんなにショックだったのー?露出狂なんだから別にいいでしょ?あ、それとも見られて興奮しちゃったのかな?」
和也「ブスのくせに凹んでんなよ。胸見られただけだろ。お前の胸なんか誰も見たくねーから」
愛衣「自意識過剰なんじゃない?あ、意味わかんないか。バカだもんねアンタ」
栞「今度、志田にチクったらマジで殺すからね。アンタの家誰もいないんでしょ?私達のたまり場にしたっていいんだからね?」
美玖「……はあはあはあはあ」
愛衣「また死んだ魚やんの?アレ超つまんねーから冷めるんだよね。もっと面白い芸覚えて来いよ」
栞「だからー。あ、自殺とか学校来ないとかもなしね。もし逃げるようだったら家メチャクチャにしちゃうから」
愛衣「そろそろ帰んない?」
栞「そうだね~。明日もよろしくね。あ、明日はノーブラで学校来てよ。約束ね」
愛衣「それいいじゃん。てか、クラス全員お前の胸と乳首見てるから全然興味ないと思うけどね。あはははは」
栞「じゃあねーメガネちゃん」
ゲラゲラと笑いながら三人が公園を出ていく。私は立ち上がり、涙を拭いた。膝から血が出てる。背中とお腹が痛い。制服も汚れ、ところどころ破れてる。生きてる意味が分からない。
【続】